複雑に、目出度い。(篆刻:祥子)

祥子
きのうは、5月の第2火曜日。1階は、「花の会」の稽古日で野の花を活けていた。 2階の私は、広告の企画の返事を待ちながら、注文印を彫っていた。 絵に描いたような、三游会のお仲間・楽篆堂と花の会の、万緑の午後。 そこに、Nさんからの電話。「羊に子が生まれたと、奥さんに言ってください」 奥さんとは、もちろん私のカミサンで、野山の花と遊ぶ「花の会」の先生でもある。 活け終わって合評中のみんなに声をかけて、私がデジカメを手に先発した。 生み落として、まだ間がない。それでも立ち上がろうとして、失敗。首から倒れこむ。 頭も身体も小さいが、足は長く、太い。みんなが到着した頃に、力がたまったか、 2回目の挑戦。見事に成功。みんなで、拍手。目は、見えているのか、いないのか。 それでも母親の乳を探して、吸う音が聞こえる。メスだから、「ハナちゃん」になった。 去年の5月にここで書いたが、毛を刈られていたのはオーちゃん・メーちゃん夫婦。 その後、生まれたオスの子が「クロちゃん」なのだが、父親のオーちゃんは死んだ。 だから、このハナちゃんの母はメーちゃんだが、父はクロちゃんで、実の兄!! 篆刻は、「祥子」さんの印で、祥は吉、善の意味だが。離婚後300日以内に 生まれた子の父親は誰かという問題にまけずに、複雑な目出度さなのだった。
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