工夫は、普段から。(篆刻:工夫有平生)

工夫有平生
このブログは、自由律俳句(季語と五七五にとらわれない)の巨匠であるK氏が、 時々覗いてくれているようだから、無分別の続きを。篆刻の「工夫有平生」は、 これまた非力で情けない大昔の作ですが、工夫は普段、日常に行うべし、という 俳聖松尾芭蕉のありがたいお言葉。それに続く言葉が「臨席無分別」で、 席に臨んでは無分別であれ。席とは、句会とか、そんな場所なのでしょうか。 私は、句会らしきものは1回しか経験がないけれど。広告界で、我々制作者が クライアントに企画を提案するプレゼンテーションも、その席と言えるのでは。 一時はプレテと言われたりしたが、最近はプレゼンという一般用語としても 定着したようだ。プレゼンといえば、創業期の日本マクドナルドの藤田田さんに 数年間、毎週水曜日の午前中、すべての制作物を私ひとりでプレゼンした。 相手は怪物、こちらは27、8の若造。何をどう突っ込まれるか、予想もつかない。 対策は、普段からマクドナルドのことを自分がどれだけ考えたか、しかない。 そして、田さんの前では無分別。何を聞かれても、間髪をいれず答えるだけ。 それで田さんは安心する。私の自信にもなった。それ以来、私はプレゼンで あがったことがないが。「臨席無分別」の篆刻は、工夫が足りず、お見せできない。
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