自然を、ねじる。(篆刻:自撚)

自撚
「環境goo」というサイトがある。「見て知って実践するエコ情報」とあって、 環境関連で調べたいことがあると、ちょくちょくのぞかせてもらう。 その中の「環境ナビゲーター」は、環境問題の20のポイントをその道の専門家が 解説してくれている。2001年から2002年のコンテンツだから新しくはないけれど、 遺伝子組み換え、ヒートアイランドなどの基本の理解には役に立つ。 20回目は「農薬の安全性」で、農薬会社の人にインタビュー。なぜ農薬会社か。 大学、研究所などの人では、将来的専門的すぎて、市販の農薬や制度に精通する 人が少ないのだそうだ。で、こんな話。「よく自然に則した農業をと言うけれど、 農業は特定の植物種を人為的に優占種として単一栽培する状態で、そもそもが 不自然なものです。」 言われてみれば、そうだ。農業とは、不自然な行為なのだ。 昆虫や病原菌、雑草などが、農業で失われた自然界のバランスを取り戻そうと 常に攻撃してくるから、人為的に対抗せざるをえない。ゆえに農薬が必要なのだと。 篆刻は、篆刻を始める以前の手すさびで、「自撚」。なぜ、自然でなく自撚なのかも 記憶にないが。素直に生きればいいのに、なぜかねじれてしまうのを自嘲したか。 はてさて農業とは、自然を無理やりねじふせる人間の所業だったのだ。
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