新しい原子炉が、ある。(篆刻:日新)

日新
もう20年ほど前の話だが、いやでいやで仕方ない仕事があった。 某電力会社の新聞広告。A新聞のある県版に、5段(3分の1ページ)で数ヶ月間 他愛ないクイズを続けた。クイズはただの口実で、本題は片隅の小さなコラム。 原子力の安全性をさりげなく入れた。新聞社に広告掲載料を定期的に渡すことで、 何か問題が起きた場合に手心を加えてもらえるのではないか、という魂胆だった。 会社の立ち上げにお世話になった方の仕事だったし、社員もそこそこいたから 断れなかったが。原発の事故やデータ隠しのニュースを見るたびに思い出して、 気分が悪くなる。こんどの中越沖地震でも、「地震と火災が同時に起こることなど、 想定していなかった」という話には、あいた口がふさがらない。断層だらけの日本に 安全と言い切れない原発をつくること自体が、無茶ではないか。では、どうする。 「トリウム熔融塩核エネルギー」なのだ。1950?76年頃に米国で研究開発されたが、 冷戦下で敬遠された技術。核弾頭物質の取り出しは不可能。重大事故は原理的に 起きない。原料は自給自足できる。使用済プルトニウムを燃焼消滅させられるなど、 いいことずくめ。20?25年後には実用可能なのだという。詳しくは検索ねがうとして。 篆刻は、「日新」で、日に新た。日本の原子力関係者の頭は、旧態依然なのだが。
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