人の過ちを、忘れる。(篆刻:忘人過)

忘人過
我が家は、古いボロ農家だが、前庭は南東向き。1年中、朝日は視界から 上がるし、月も出る。惜しむらくは、向かいの山の尾根にある高圧塔。雨に煙ると 消えるのだが、昼は線までくっきり、夜の赤いランプも邪魔。もうひとつは、 家の下の市道の向かい側が建設会社の資材置き場で、土砂や重機が置いて あること。といって、他人様の土地、どう使おうと、それはご自由なのだから。 で、昨夜10時20分頃。テレビを見ていたら、トラックが来て、重機を動かす 音も聞こえた。外に出て暗い庭から見れば、1坪ほどの鉄板を吊り上げて トラックに積んでいる。水道工事もしているから、どこかで水道管が破れたか、 ご苦労なことだと思いながら、家に入った。ところが、きょうの午後駐在さんが来た。 その会社から鉄板盗難の被害届けが出た、目撃していないか、と聞かれた。 そういえば、公民館の入り口で、U字溝に置いた鉄板が盗まれたのは、つい先日。 同じ頃、県道添いの鉄工所でも、U字溝の鉄板が盗られている。しかし、昨夜の あれが泥棒だなんて、疑いもしなかった。篆刻は、「忘人過」。何かで見かけた 「記人功」と対の旧作。夜遅く大きな音を聞いたことさえ忘れようとしたのだが。 いよいよ、人を見たら泥棒と思えというご時世。さて、「記人盗」でも彫りましょうか。
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