大仏池の、秋。(篆刻:仏)

佛
我が家から山道を下って、さあ奈良市内というところが、朝夕渋滞する。 そんな時は、正倉院の横から、東大寺西側の大仏池に抜ける道を通ることがある。 この大仏池が、NHKの万葉ドラマ、第2話のキーポイントになっていた。 観光コースからはずれているが、池越しに大仏殿、若草山という眺望。モミジや ナンキンハゼの燃えるような紅葉が、年上の女性に恋した若者の心を象徴していた。 我が家のロケでは、詳しい説明も聞かなかったのだが、試写会の案内でやっと 飲み込めた。NHK奈良放送局、開局70周年記念の「ドラマ 万葉ラブストーリー」。 万葉集にちなんだ脚本を公募して、選ばれた3話を10分ちょっとのオムニバスで、 構成した番組。我が家は、その第1話、中学生の男の子が転校生に恋して、 書道の先生であるおばあさんの家に助けを求めに来る、という設定なのだった。 始まって間もなく、我が家が現われた。部屋にあるすべてが、我々には意味ある ものだけれど、写っていてもいいのかな、とそんなことばかりが気になったが。 しかし、3話は短いながら、万葉集の歌を効果的に活かして、いいドラマだった。 放送は来年、1月18日夜8時だが、見られるのは奈良県だけというのは、残念。 奈良といえば大仏と鹿しか知らない県外の人にこそ、見て欲しい番組なのに。
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