心を澄ませて、読む。(篆刻:澄心)

澄心
セイマイヤ・ミット様 送っていただいた本、届いてすぐに読み、また今日、もう1度読みました。 久しぶりに引いた鼻風邪がやっと治りかけて、仕事の区切りも良かったので、 心を澄ませて読むことができました。あなたが育った四国西端の小さな村の物語り。 『東シナ海は、僕らに目もくれない。』 あなたの同級生のキヨちゃんが海で溺れ死んで、父親のロクさんが悲しみの あまり犬に変わってしまう、不思議な話でした。原発の建設が決まって、年老いた 漁師が首を吊ったり、水不足でミカンの木が枯れて、大人達が水をめぐって 殴り合う悲惨な話なのですが。それでも、あなたは、その犬に給食の残りを運び、 飲み込んでしまった10円玉を排泄するのに四苦八苦する子どもなのでした。 海があなたを詩人にしたことは間違いのない事実ですね。広告のイラストで、 どんなタッチでも見事に描きこなすあなたと、年賀状のイラストがアナーキーな あなたが、この絵本でやっと繋がりました。「夢をかたちにすることができました」の 添書きと、エプソンの光沢紙の段ボールを丁寧に折った四隅のカバーに、 あなたのこの本への想いが伝わってきました。宝ものをありがとうございました。
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