生きものたちの、輪。(篆刻:環境)

環境
●春のはじめ、コッコッと音がしたので見ると、栗の木の穴を鳥がつついていた。 図鑑によれば、キツツキの仲間コゲラらしい。枯れ木に穴を開けて営巣する、と あるから、毎年大きな実をつけてくれる丹波栗の寿命が近いのだろうか。 ●田植えが終わった夜の田んぼは、カエルの求愛の叫び声でかしましい。 カエルがいれば、ヘビがいる。草刈機で知らずにマムシを殺したことも、数回ある。 ●朝早く目を覚ましたカミサンが、ふと庭を見たら、キツネが歩いていたという。 鳥も食べるというから、数年前ニワトリの首を奪ったのは、キツネだったか。 ●毛のふさふさした野良猫が近所をのし歩いていて、タヌキと呼んでいたのだが、 いつしか我が家に住みついてしまった。「草むらに(本物の)タヌキがいた」と とカミサンに話したのに、カミサンは猫のことだと思って、話がもつれる。 ●5匹の猫のために、縁の下から台所へは出入りが自由。その餌を野良猫が 食べにくることも多い。数日前の夜、テレビを見ていたら、上がりかまちに ヌッと首を出したヤツがいる。それは、間違いなくアライグマだった。7匹いた金魚が 突然2匹に減ったのは、何の証拠もないが、こいつの仕業だったかもしれない。 ●篆刻は、「環境」。環は、2つの輪だけれど、生きものたちの輪は、和ではない。
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