思い込みの、恥。(篆刻:恥)

恥 今朝の日経新聞の春秋欄。米ドルがなぜ強いのか、と小学生に聞いたら、 「思い込みでしょ」という答えだったとか。世界経済の雄アメリカを引き合いに 出すのも変だけど、歳とともに思い込みが激しくなるのは、私だけでなさそうだ。 たとえば、「捨て猫」のことを心配してあれこれ考えている時、横で「金魚」の話を していたら、「近所の猫」と聞こえてしまう。これ、カミサンのことですけど。 百野草荘の文字を書いた時のこと。まず「草」を決めた。篆書では「艸」だけど 核としては芸がない。そこで「艸と艸の間に日」を入れた。これで草だと思い込んで、 いた。篆刻にして、看板も苦労して彫り、このブログにも写真まで載せた。 ところが、先日、久しぶりに大阪の大型書店に行って、篆刻関係の本をぱらぱら 見ていたら、「艸と艸の間に日」がある。しかし、それは「暮(くれ)」なのだった。 「字統」を改めれば、甲骨文でも金文でもないが「艸と艸の間に早」の字がある。 これが頭に残っていたようだが、「十」が抜けている。早速書き直して、篆刻も 変えたが、看板ばかりは時間がかかる。前のブログには、お詫びを入れた。 篆刻は「恥」。白川先生は「ものに恥じる心は、まず耳にあらわれる」と解説されるが、 私には意味不明。私の何かの思い込みが、素直な理解を妨げているのだろうか。
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