「一年の計は穀を樹(う)えるに如くはなし、十年の計は木を樹えるに如くはなし、
終身の計は人を樹えるに如くはなし」は、中国の古典・管子の一節だが。
日本では、農業も林業も教育もボロボロになってしまって、百年の計もご破算で
出直し必至の今日この頃。日本は戦後国策として杉や檜の植林を奨励したが、
安価な外国材に押されて人工林のほとんど放置されたまま。ここ奈良市東部も
例外ではない。そんな時に、森林再生に命を賭けるふたりの男が、NHKで
続けざまに登場した。ひとりは、京都・丹南市日吉町森林組合の湯浅勲さん。
もうひとりは、大阪・千早赤阪村の大橋慶三郎さんで、この方はもう80歳。
歳はちがうが、ふたりは「山の声を聞きながら、道を造れ」と全国を奔走する。
「山は人間の親。山に頼んで道を造らせてもらうのだから、親を泣かせるな」
というのは大橋さん。「山に教わり道を造るにしても、組合事務所が給料制で、
現場が日当では一体感が生まれるはずが無い」という湯浅さん。山の道は、
人の道なのだ。その道の先にこそ、豊かな森林樹木が再び生まれるのだろう。
篆刻は「樹樹(じゅじゅ)」で、奈良もちいどのの「心と体にやさしい創作料理」の
ダイニングバーの注文印。木を生かした内装で、美人ママは目にもやさしい。
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木が生きる、道。(篆刻:樹樹)
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