成人して早や40余年。教室という類いは、久保田宣伝研究所(現・宣伝会議)の
コピーライター講座に通ったことしかないが。この一日教室には行く気になった。
色ガラスをハンダでつなぐステンドグラス。10時から3時半まで、昼食をはさみ、
この照明ランプが、私にも出来た。といっても、50数個のガラス片はカットされて、
3分の1以上には手間のかかる銅のテープ巻きがされてあったからなのだが。
パリ郊外の撮影待ちで、ガイドブックにものっていない古い教会をのぞいた時、
ステンドグラスの美しさに圧倒された。それは工の形の鉛にガラスをはめ込んだ
クラシック手法。19世紀・アールヌーボーの時代にティファニーが銅のテープを
ガラスの周囲に巻いてハンダでつなぐ画期的な手法を開発したことで、どんなに
細かなデザインも可能になったという。これも、そのコパテープのおかげだ。
私の篆刻の発表の形は、石に彫った篆刻を紙におして額装するのがほとんどで、
軸装も増やしてはいるが。文字が誕生した時の物語がそのまま残る篆書体は、
もっと様ざまな表現の可能性を秘めている。その試みに、白文の朱の部分を色に
変換する「篆彩」を始めたが、このステンドグラスで、その「篆彩」をガラスという
素材でさらに発展させられると確信した。ルイス・C・ティファニーさん、ありがとう。
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