煙草、やめる?(篆刻:煙)

煙 こんな形で日本の総理大臣が決まるのかと憤懣やる方ないが、私が吠えなくても 民主党をのぞく日本人すべてが思っているだろうから、それについては語らない。 憤懣やる方ないといえば、煙草の値上げもある。嫌煙の嵐吹きすさぶ中、私の吸う 煙草は110円の値上げ。税金は70円上がるが、喫煙者も減るから110円という 勝手な理屈。そんなに喫煙者を目の敵にするなら、有害だからと麻薬扱いにすれば いいではないか。いっそ抗議で煙草をやめようと思っていたところに、本が届いた。 馬場啓一氏の『喫煙道宣言』山愛書院刊。彼は伊丹十三『ヨーロッパ退屈日記』が 座右の書で、日本シガー愛好家協会の初代会長だったから、喫煙の正しい方法と 技術にまつわる薀蓄は舌を巻くほどだが。行間には静かな怒りがあふれ出ている。 深代徹郎という方の言葉がある。要約すれば「なぜ人はときに極端な思考行動をし、 自分の意見に固執するのか。人という複雑な動物をもっと理解する必要がある。 “清狂(清廉ゆえの狂)”も困ったもの。人は健康志向のみでは人でなくなるのでは ないか。人はある程度の迷惑をお互いに及ぼし、許容し、理解しながら生きていく ものである。そうである限り、喫煙が人の歴史から消え去るとは考えられない。」 まったくもって同感。嫌煙原理主義への抗議のために、煙草はやめないことにした。
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