グーグルは、回る。(篆刻:回)

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以前、映画「ウォンテッド」が中島敦の『名人伝』を下敷きにしていると、ここで書いた。
主人公ウェスリーは、職場で過食症の女上司にいびられ、恋人を寝取られるダメ男
だが、彼が自分の存在を確かめる手段が、グーグルで自分の名を検索すること。
しかし結果はいつも該当項目ゼロ。それでも彼は暗殺の達人に成長するのだが。

そのグーグルで検索すると、「篆刻」は595万件。私の楽篆堂・篆刻通販サイトは、
2月の18?24日、9位を保った。ヤフーでも毎日10位だったから、最近やっと
本気で内容・コンテンツの充実に努めた成果が出たのではとよろこんでいる。
検索で上位10位に表示されなければWEB上に存在しないも同じという厳しい
世界だから、慢心することなく、より一層篆刻を身近に感じて愛用してもらえるよう
工夫を凝らしていきたい。文字が生まれた時の物語を、現代の篆刻という形で
伝えていきたいから。と、真面目な話ばかりでは退屈でしょうから、最近の話を。

ケータイを持たず、パソコンにも無縁のある女性が、こう言った。「グルグルってのが
あるでしょ。それが車の通れないとこには自転車で入って、カメラをグルグル回して
撮るから、外に洗濯物も干せないそうよ!」 目が回ったけれど笑っては失礼だから、
「それグーグルのことですよね」と静かに答えた。篆刻は「回」で、水の回流する姿。

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