仙台の兄とは、昨日14日の朝、携帯で話ができた。太白区の家のガラスは
割れなかったものの、屋内のすべてが散乱して、片づけに一日かかったという。
「兄の家は太陽光発電だから、万一停電でも大丈夫」と漠然と思っていたが、
原発ですら停電で電源がなく、炉心溶融の危機にある。原発の非常用電源が
ディーゼルエンジンと聞いて、唖然とした。あまりに原始的、蓄電設備すら無い。
20年以上前、関西電力の広告を制作した。朝日新聞和歌山県版に出す全5段
だが、内容は子供だましの他愛もないクイズ。隅の方に原子力のひと口メモの
ようなコラムを入れた。和歌山に原発建設の計画があり、広告掲載料を払うことで
朝日の原発批判を封じ込めようとする意図がありありだった。毎月一回のシリーズ
だったから制作会社としては助かるが、個人的にはこんな嫌な仕事はなかった。
原発のこの危機的状況に、政府にも当事者の東電にもコミュニケーション能力が
ない。現状を要約し結論を先に言うべき初歩すら出来ない。中でも東電広報の記者
会見はひどい。冒頭、配布資料の枚数で狼狽している。会話の出来ない赤ん坊が
原発情報を担当しているに等しい。この企業に日本は首都圏の発・送電を委ねて
いる。篆刻は「崩」で、神梯の崩れること。すごく悔しいが、日本はすでに崩れている。
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東電、崩れる。(篆刻:崩)
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