週刊ポスト4月1日号、新聞広告の闇汁のような見出しの中で、内田樹氏の『いまは
「否定的なことば」を抑制すべきだ』が気になった。「内田樹の研究室」というブログに
同じ主旨の発言があったので引用する。「こういう状況のときに「否定的なことば」を
発することは抑制すべきだと思う。いまはオールジャパンで被災者の救援と、被災地
の復興にあたるべきときであり、他責的なことばづかいで行政や当局者の責任を問い
詰めたり、無能力をなじったりすることは控えるべきだ。彼らは今もこれからもその公的
立場上、救援活動と復興活動の主体とならなければならない。不眠不休の激務に
あたっている人々は物心両面での支援を必要としている。モラルサポートを惜しむべき
ときではない。」 内田樹氏は大学教授らしいが、あえて私はこの主張を否定したい。
彼は、国難に対処すべき政府と様々な現場の不眠不休で働く国民の話をない交ぜに
している。パフォーマンスと激昂に揺れ動き、目は虚ろ腰も据わらない首相を肯定的に
認め、モラルサポート(こんな言葉あるの?)したら、どうなる。終戦直後、生き残った
国民のすべてが復興の主体だった。その時、戦前・戦中の体制や価値を全検証して
肯定と否定を明確に分別しなかったことが、この国の現在を曖昧にしてしまったのだ。
篆刻は「否」。不と祝祷の器「サイ」で、神が承諾しないこと。神は時に、強くNOという。
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あえて、否定的意見。(篆刻:否)
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