最高中の最高、ではない。(篆刻:HighestHigh)

ハイエスト・ハイ
いまのこの家に越したのは、船場の会社のCIをやっていた頃。 すぐに住める家と思ったが、母屋の土台をジャッキアップして床板、畳を替えた。 台所の流しは、レトロなタイルだったがステンレスに変わった。 その後徐々に、五右衛門風呂はジェットバスに、汲み取り便所は簡易水洗に 変わっていくのだが、土間やかまどは、いまでもそのまま残している。 ほとんどの家は、町からお嫁さんを迎えるにあたって、土間をつぶして ダイニングキッチンにしてしまう。この村で、土間とかまどが残っているのは、 我が家だけのようだ。母屋の2階は、はしごで出入りする物置になっていたが、 床は抜けていた。わらがむき出し、丸太を荒縄で組んだ骨組みは見事だったが、 床、天井を板張りにして、階段をつけた。20畳以上もあるロフトが出現した。 その頃には、私は大阪のデザイン会社に勤めていたが、カミサンがそのロフトで、 ギャラリーらしきことを始めた。自分の袋物と知り合いの焼き物などを並べた「袋や」。 仕入も売上もあるなら会社にしようか、とつけたのが、この「ハイエスト・ハイ」という 名前。ハワイのサーファーの言葉で、海と空と自分が一体になる至福の瞬間のこと。 それで篆刻は緑色。ハイエスト・ハイの広告が最高中の最高、という意味ではない。
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