すっかり日本という国がいやになってしまった。だだ、情けない。怒りをここで書く気力も
なくなった。仕方ないから、罪のない「椿の話」でも書こう。息子の「遊」が無くなってから
カミサンが供養にと椿を植えた。この地区で名の通った椿の苗屋の、糊こぼし、西王母、
胡蝶侘助、白玉、草紙洗、待ち人、朴伴など30本ほど。土が悪かったのか、なかなか
花をつけなかった小磯なども咲くようになった。それまでに、ざっと10年はかかったが。
2008年の夏、椿の苗が300鉢もやってきた。炭焼きのクマさんの友人が引越した家の
庭に置き去りになっていたのを引き取った。私は、そんなに沢山どうするんだと、ただ
あきれて見ていたが。カミサンは、大学ノートに記録をつけながら、大きな鉢に植え替え
たり、雑草を引き、肥料をやりと、頑張った。欲しい方にもずいぶん差し上げた。それでも
鉢植えの限界で、枯れるものもあり、水やりで名札が飛んで名無しになったりし始めた。
おととしの春から、いくら何でも鉢では窮屈そうなものを地植えしはじめた。去年の春に
植えたものは、ほとんどが咲いた。気を良くして、斜面に道をつけ、野菜用の畑もつぶし、
この4、5月は30本ほどを植えた。詳細な測量地図を拡大して、椿マップをつくり、数を
数えたら130本あった。まだ地植えしたいのが20鉢ほどある。百野草荘、またの名は
百椿荘になった。150本の椿が満開になる日まで、あと10年は元気で生きなくっちゃ!
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またの名を、百椿荘。(篆刻:百椿荘)
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