うつ病という、困難。(篆刻:困難遊戯)

困難遊戯
おかしい、と気づいたのは、朝の通勤の運転で。なぜかセンターラインを越える。 そのまま病院へ行った。結果は、うつ病。睡眠障害、自律神経失調、食欲不振。 テレビや新聞はもちろん、何にも意欲も興味もない。とにかく、人と会うのが嫌になる、 いや、人と会うのが怖い。仕事など、出来るわけがない。医者が言うままに、 何種類もの薬を飲む。電磁治療にも漢方の病院へも行った。しかし、治らない。 何もやる気にならない。ただ眠い。しかし、昼に寝れば夜なおさら寝られなくなるから、 ベッドの上で天井の板目を見るばかり。少し良くなったかと、会社に行ってみても、 良くなっていないことが分かるだけで、早退。ヨガがいい、大きな声を出すのがいい、 散歩がいい、早起きがいい。何でも試したが、どれも改善のきざしは感じられなかった。 それでは会社がもたない。私は辞めて、共同経営のYさんが、社長に復帰した。 篆刻は、「困難遊戯」。困難をも遊んでしまおう、という意味だが。うつ病という困難は、 遊ぶどころの話ではない。しかし、必ず原因がある。私の場合は、過労とストレス。 この原因そのものは、10ヵ月近く会社を休み、ひたすら休養するということで、 自覚は無いながら解消されていったのではと、思う。あともうひとつ大事なのが、 その人の症状に最適な薬の選択。私の場合、これが無かった。大いに悔やまれるが。
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