米を、食べる。(篆刻:米)

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20代後半、マクドナルドのCMから会社案内まで制作一切を任されていた時に
藤田田(でん)社長が目の前で「日本の主食をパンにするんだ」と豪語したのには
「そんな無茶な」と呆れた。でも、あれよあれよという間に、その通りになりましたね。

ここ狭川地区のほとんどは兼業も含めた農家。西狭川町の月1回の集会でも
農協の支部長が自治会長の隣の上座に座る。野菜を出荷する家もあるが数は
知れていて、大部分は田んぼでの米作り。この家も大阪の息子家族も、親しい方が
手塩にかけたお米の玄米を農協に出荷する値段で1袋30キロごとに分けてもらう。

我が家の朝はホームベーカリーのパン食だが、主食はいまでも米。夫婦ふたりで、
その日食べる分だけを精米して食べる。新米が出る頃だって去年の米が美味しい
こと、この上ない。毎年、暮れの29(福)日は友人たちを呼んで恒例の餅つきを
する。土間で現役のかまどで蒸して欅の臼でつく。その餅米だって、庭から見える
田で作り、「はさかけ」という天日乾しを分けてもらったもの。多くの農家は乾燥や
脱穀の機械で普通の米に混ざるのを嫌って餅米は作らないから貴重品、いやいや
贅沢品なのだ。身近の親しい人が作ってくれる安心・安全、かつ美味しいお米が
毎日当たり前のように食べられるのだから。これ以上の幸せは、他にはないだろう。

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