ラファエロの、版画。(篆刻:版)

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美術の素人で出不精の私にとって、NHKの日曜美術館は実に都合のいい番組だ。
この前はラファエロ。ルネサンスの3大巨匠だが、私が好きなのはダ・ヴィンチで、
次がミケランジェロ、ラファエロはそれほど好きではない。しかし37歳という若さで
亡くなるまでにぼう大な作品を残したし、それが工房というシステムから生まれたと
いうことには驚かされる。しかも、この時代の絵画は教会や貴族の誰かからの指名に
よる受注制作だったが、彼は絵画やドローイングを版画というメディアにしてローマ
以外の一般の人々に広めたのだという。これは美術史上の画期的功績とされている。

この4月に、大津の鮟鱇屈・水野恵先生から「とくとくの消息」を送っていただいた。
教室の生徒さんなどへの巻紙状の刷り物だが、几帳面な文字で宛名を書いてくだ
さっただけでも有り難い。そこに「近頃は、篆刻個展と称する会場で、印影を不特定
多数の人に売ってるのを見かけます。印章は古今東西唯一の印顆であって、その
使用は本人にしか許されんもんどす。それを一つの印顆から複数の印影を採って
誰彼無しに売るちゅうのは印章の否定であり、右の定義からの逸脱どす。」とあった。

水野先生には去年10月に私の「印影を売っている個展」にお越しいただいたから、
さしずめ私は張本人なのでコメントを差し控えるが、さて皆さんはどうお考えだろうか。

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