燕と、蛇。(篆刻:蛇)

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7月9日朝、カミサンの「おとうさん!蛇が!」という叫び声で目が覚めた。燕の巣を
見れば、蛇が丸く傘のようにおおいかぶさっている。棒など探している暇はないから、
手近の短パンで、止むなく巣もろとも叩き落とした。1メートル以上もある大物だった。
以前は生きたまま火ばさみでつかんで用水路に流したこともあるが、今回ばかりは
腹が立って、棒で叩き殺して水路に流した。いま思えば、殺したのが悔やまれるが。

崩れた巣は縁側に落ちたが、下のコンクリートにヒナが1羽いた。まだほとんど羽が
生えていない丸裸のような姿。6羽でいちばん成長が遅く、巣の奥にいたので生き
延びたのか。30センチほど横に古い巣があるから、とにかくそこに入れた。昼頃に
なって、やっと親が来たが、形のない元の巣のそばを飛ぶばかり。隣の子に気づいて
いないので、子の頭を巣のフチに乗せたら気づいたが、やはり近くを飛ぶばかりだ。

一度人間が触れた子には近づかないのか。これで親がエサをやらず、餓死しても
仕方ない、とあきらめかかったが。夕方、子の鳴き声がする。それを聞いてか、親が
エサを運びだした。きのう10日も、親はエサを運び、白いフンをくわえて出た。今日は
トンボを食べさせていたから、もう安心してもいいだろう。人間も組み込まれた食物
連鎖なのだから、あの蛇に罪はない。あんなふうに殺すことはなかったと悔やまれる。

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