猫の、縁。(篆刻:封緘)

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勢いよく流れる農業用水に体半分を流されそうになっていた子猫2匹を助けたのは
1年前の8月5日だった。獣医さんによれば生後1ヶ月ほどだったから無事1歳を
迎えた。黒とグレーの縞はお腹の模様が鯖のようだからサバに。シャム猫のように
顔、耳、足、尾が黒く、他はクリームの方は白身の魚のタイと名付けた。最初はサバが
よく甘えて、タイはそれを見ていたが、いつか性格は逆転して、サバが神経質で家に
いることが多く、タイは天衣無縫で夜まで外で遊んでいる。私は朝、玄関を出てから、
四方拝をして新聞を取りにポストへ行くが、この柏手を聞いた2匹が飛んできてポスト
まで先導する。タイは体をすり寄せて撫でてくれとせがむが、サバは私につかず離れず。
タイだけ撫でればひがむので、サバも手を伸ばして撫でてやる。夜まで外で遊んでいる
タイを呼ぶには柏手を打ち、タイ!と何度か呼ぶと帰ってくる。いったん家に入れば、
一日中遊んだから、ベッドで人間のように手足を伸ばして爆睡するが、それでもタイと
呼ぶと小さく鳴いて、シッポも動かす。先輩の猫たちも、最初はすねたり怒ったりしたが
最近では首を並べて餌を食べるようになった。この季節、子猫のオモチャはトカゲや
バッタ、セミと数えきれない。替えたばかりの畳のあちこちに死屍累々だが我慢ガマン。

篆刻は6本の線で縁をあらわした私用の新しい封緘だが、サバとタイとも切れない縁。

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