地下水の、源。(篆刻:源)

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ニュースを見てイライラしていた。福島第1原発の汚染水問題。山側からの地下水が
1日1000トンもあり、敷地の地下や建屋には1日数百トンが流れ込んでいる。報道は
凍土壁だ、遮水壁だと対症療法ばかりで、なぜこんな地下水の多い場所に原発がある
のかを教えてくれない。検索でやっとたどり着いたのは、雑誌ENECOの記事だった。

吉村和就氏によれば、福島第1原発は標高35mの台地を切り崩して標高10mで
整地されたが、標高27mから10mの間は常に地下水が湧き、地盤がぬかるみやすい
含水層。地中にパイプを打ち込みポンプで連続的に水をくみ出す工法が多用されて
いるが、梅雨時は重機がぬかるむので鉄板を敷くほど。地下水脈の上に建設されて、
今その地下水に悩まされている。現在、原子炉は岩盤の上に建設されるが、当時は
敷地が広く、土木工事のやりやすい場所が選ばれた。工期は突貫で10ヵ月だった。

話は変わるが、我が家の敷地北側に蔵の跡がある。山からの水が地下を流れている
ので蔵は朽ちたらしい。そこが最近2ヵ所陥没した。水の通り道で空洞になっている。
吉村氏は「造成後40年以上の地層には随所に水道(みずみち)が出来るのが常識で、
単純な地下水シミュレーションでは解析不可能」という。近所のお婆さんでも「水の道
ばかりは変えられない」と言う。地下水を止めるには、山を削り去るしか方法はない。

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