巨匠からの、句集。(篆刻:健)

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一応、盆休みなので高校野球を見ているが。手持ち無沙汰なので、ゴミに出すため
使い捨てライターのガスを使い切ろうと思ったが、暑いし熱いのであきらめた。そこに
ゆうメールが届いた。自由律俳句の巨匠、第一回尾崎放哉賞受賞者の木村健治氏の
4冊目の雑文、写真つきの句集『きょうも世間はややこしい』(象の森書房)だった。

いまだ自由律俳句というものが解らないので、掲載順に好きな句を挙げれてみれば、
「母帰らぬ日はかもめ食堂麻婆豆腐」「母焼く朝のネクタイを結ぶ」「母に隠し事あり
浅蜊が砂を吐く」「草原へつづく蒙古斑撫でてやる」「尼僧にも戸籍あって紅葉掃く」
「まっすぐに電柱凍ててあれがオリオン」など俳句的風格のあるもので、家族など
身内への優しい眼を感じる。その優しさが外に向くと一転、「バリウムいちご味と
言われても」「鯉のぼり泳げど繋がれている」など川柳的ひねくれ目線になるのが
惜しい、と思うのだが。振込み用紙が無いから頂戴したとして自由律俳句が苦手な
方にも、さすがコピーライターだから写真と雑文が面白いことは保証しておきたい。

しかし、この篆刻「健」は彼が制作会社の役付きになったお祝いに贈ったものだが。
本の扉にも添え状にも押さず、封緘にも使っていないのは、どういうことなのだろう? 
篆刻を上手に使えるようになれば、真の巨匠になれるのだけれど、惜しいなあ・・・

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