篆刻と書、その違い。(篆刻:篆)

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プリンターは取替えが正解で、またまた手間取ったけれど無線設定もできたから。

たまには篆刻の真面目な話をしてみよう。水野恵さんも年賀の便りで書いていた
けれど「篆刻と書は全く違うもん」です。文字を表現する点は同じだけれど、強いて
言えば建物と庭木のような違いがある。篆刻は建物で、少々時間がたっても変化
しない、しないように創る。一方、書は庭の木のようなもので、その時々で変わって
いく。華雪さんという女性書道家の制作の動画を見たことがあるが、まるで親の
仇をを追い詰めるような勢いで、何枚も何回も同じ字を書きまくる。やっと一枚が
思うように書けたのだろう、それ以外の膨大な紙をつかんで丸めて抱えて、部屋を
出ていく。まあ、演出があるにしても、一点一点を「気」で書いている。この一枚と
次の一枚の気は同じではない。極端に言えば、どの書をよしとするかは、どの書を
書いた時の気をよしとするか、だと思う。では篆刻は。もちろん石を彫るときの気は
大切だけれど、それ以上に彫るまでのデザインが細心で緻密でなければならない。
なぜなら同じ篆刻を一日に何回も、何年間も押すことがありうるから。時間経過に
耐えなければならないから、その時の気に任せて自由奔放にという訳にいかない。

書家の篆刻に筆文字風を見ることがあるが、書を石に彫ったものは篆刻かどうか。

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