刃物、怖いですか。(篆刻:刃)

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年度末で村や神社の雑用が続き、ブログがすっかりお留守に、と言い訳しつつ・・・

包丁やナイフが怖いから家に置かず、カット野菜を買って料理する女性がいるとか。
それほどではなくても、篆刻が好きで、とても上手に彫るけれど、印刀で手を傷める
のが怖いからと、わざわざ皮の手袋を自分で縫って、左手にはめる人を知っている。
その彼の育った環境を聞けば、父親は伝統工芸の絵描きだったそうだ。それならば、
台所以外で刃物といえば、鋏や小刀くらいだけだったのだろう。怖いのも仕方ない。

私の家は家具屋というか両親ふたりの木工所だったから、父の朝一番はカンナ研ぎで
ノミもあれば、大きな丸い刃のどう猛な昇降盤もあった。刃物に囲まれて育ったような
ものだから、刃物にはもちろん電気工具にもほとんど恐怖感がない。剣道を習って、
少し居合らしきものもしたが、真剣で竹や巻きワラを切ることにも抵抗がなかった。

この春、孫が小学校を卒業して中学生になる。この機会に、肥後守(ひごのかみ)を
あげようと考えている。私の子どもの頃は、男の子の外遊びの必需品だった折り畳みの
小刀。元服というほど大げさではないが、子どもから少年になるならば、刃物の一本も
持たねばなるまい。篆刻は「刃」で、刀の刃の部分に光を持つ文字。新品を買わずに、
何本かある肥後守の中で大き目の刃渡り7センチをピカピカに研いで、渡そうと思う。

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