富士山の合力、近藤さん。(篆刻:富士山と合力)

2014119122514.jpg
待ちかねた『ぼくの仕事場は富士山です。』(近藤光一著、講談社)が届いたので、
早速読みはじめたが、ちょっとコワゴワでもあった。というのは、その近藤さんから
「富士山登山ガイドをしている、社名の合力(ごうりき)と富士山の篆刻が欲しい」との
問合せがあった。合力のHPを見るうちに、富士山と合力という文字が融合した
デザインが出来たのでメールして、ぜひ彫らせてくださいとお願いした。近藤さんは
「彫ってください。本を送りましょうか」と言われたが、篆刻が届いたらサインに押して
送ってくださいとお答えした。本を読めば違うイメージに変わるかもしれないのに。

合力は最後の強力と呼ばれた小俣彦太郎氏の言葉「自分を鍛えようと登る人に《力を
添え合わせ》目的を果たさせる男たち」にちなんだという。人と人、人と自然、訪問者と
地域の関係が力を貸して助け合い生まれる新しい社会を築きたい、という近藤さんの
願いが込められている。少人数、しかも通年のガイドという、エコツーリズムのまったく
新しい扉を開いた近藤さんの熱い想いと、紀元前から現代まで続く信仰の歴史や近藤
さんの一人ひとりに寄り添うガイドで富士山に登る人たちの数々のドラマを読むうちに、
この篆刻のデザインには富士山に手を合わせる、祈りのカタチがあることに気づいた。

近藤さん、先走ってデザインしましたが本の読後も篆刻は変わりません。正解でした。

 

ページ上部へ