金沢で、出逢って。(篆刻:出逢)

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4月3日からの三游会用に篆刻、大小40点ほどを彫りはじめて約1ケ月。昨日、
額装するための裏打ちに出して、ひとまず一段落したから、久しぶりのこのブログ。

45年前、新米コピーライターの私は、三菱銀行広報課分室でチラシなどをつくって
いたが、“DCカード”の広報誌で地方都市の紀行という企画が出た。五木寛之の
『朱鷺の墓』を読んですぐだったので金沢行きを志願した。東京から新幹線の米原
経由で6時間以上かかったから、一泊しても正味の取材時間は丸1日も無かった。
おまけにカード誌の取材だけれどカードなどある訳がない。型通り九谷焼の窯元を
訪ね、兼六園に行き、じぶ煮とゴリという川魚を食べるくらいで精一杯。夜8時には
大通りに人影もなくなるから、まあ何と田舎かと驚いた。帰りの金沢発は午後3時頃、
時間つぶしに入った大樋焼の窯元の店で、いまのカミサンと出逢ったのだが。結婚
までは遠距離交際。会った回数は数えられるほどで、電話代も高かったから文通が
メイン。結婚後はコピーライターの文章にだまされたと事あるごとに言われる始末。

この3月14日に北陸新幹線が開業した。東京・金沢間が2時間28分になって、
東京・大阪間と変わらない。こんなに近かったら何度も会えるから、正体は丸見え、
とても結婚など出来なかったろうと、開業のニュースを見ながら冷や汗が流れた。

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