古稀と「知好楽」。(篆刻:知好楽)

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古稀などまだ他人事と考えていたから意味も知らなかったが、自分事になったので
作品にすることにした。杜甫の詩「酒債尋常行処有(酒のツケは行く先々に有る)」に
続く「人生七十古来稀」で、その対比が面白い。対の作品は10月28~30日、奈良・
大乗院の三游会でのお楽しみに。70歳の実感などないけれど、周囲の変化はある。

運転免許の更新時に70歳になるので高齢者講習を受けろという。同年代よりやや
優れているようで、ひと安心。健康保険の負担が3割から2割になって、バス代も
ここから奈良まで700円だったのが100円で済む。高齢者として優遇していただき
ながら、小学校4年の盲腸以来病気らしい病気もない。広告の仕事は好きだったし
マクドナルド、P&G、ローソンなどのスタートを担えたのもラッキーだった。65歳の頃
篆刻に軸足を移してからも、ほぼ理想的なHPシステムのおかげもあって、間断なく
篆刻の注文をいただき、一人ひとりのご要望をどう形に出来るか楽しくてしかたない。

篆刻「知好楽」は、論語の「これを知る者は好む者にかなわず、好む者も楽しむ者に
かなわず」による。苦しいこともあったけれど好きだった広告は、不特定多数が相手。
いまはマンツーマンの篆刻で、出来上がりへの反応がダイレクトにいただける。だから
ますます頑張れる。知より好、好より楽が実感できる、きょう70歳の私は幸せ者だ。

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