ご近所の歌丸さん。(篆刻:歌)

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広告プロダクショのAZ(エージー)で新入コピーライターの私に、大幹部だか大顧問
だかの黒須田伸次郎先生が、「おまえ、いいところに住んでるなァ!」とおっしゃった。
(先生の名作は「ゴホン!といえば龍角散」) 黒須田先生は横浜国大の先生だった
らしいから、私のその頃の住所、横浜市南区永楽町が昔の歓楽街、花街だったことも
よくご存じだったのだろう。11月の酉の市で賑わう大鷲(おおとり)神社の門前町なので、
関内駅や伊勢佐木町に向かう道には夕方から赤提灯が灯る小さな店が何軒もあった。

私の生まれは鶴見だが、住宅地で家具屋をしていたから、音の苦情もあって永楽町に
越した。すぐ隣りが真金(まがね)町で、2、3ブロック先には桂歌丸師匠の、元・妓楼
だった家がある。Wikiによれば、ご近所だった頃、歌丸師匠は真打に昇進しているが、
町内がお祝いムードになった記憶もない。『笑点』という番組も、たまには見てはいるが、
本当の大喜利ではなく、構成作家が何人もいて、本番前にそっくり同じリハーサルをする
と聞いてからは白けながら見ている程度。ご近所以外に歌丸師匠とは何のご縁もない。

昔、大阪のキャノン・ギャラリーのパーティーで、ヌードモデルが横浜・鶴見の出身という
から「私も鶴見だ」と言ったら、それがどうした?という顔をされた。この話も亡くなったと
聞いたので書いたけど、「それがどうした?」でしょうね、きっと。なにはともあれ、合掌。

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