神戸、ものよろこび。(篆刻:喜)

201373171544.gif 大学時代にコマソンを書いて、地方ラジオ局のコンテストで賞金をもらったりした。 それを入れれば、広告歴は40年に近い。ああ・・・。マクドナルド・ハンバーガーの 無料カードの1枚にも思い出はあるが、もっとも楽しかった広告と聞かれたら、迷わず 大丸神戸店の新聞広告「神戸ものよろこび」シリーズを挙げる。関西では、子供に物を あげても、うれしそうな顔をしないときなどに、「ものよろこびせんやつやなァ」と言う。 店長が、この言葉を知っているかが分かれ目。運よく知っておられて、採用となる。 毎月、自信の商品を持ち寄ってもらう。神戸の大丸ならではの4点に絞り込んで、 新聞全10段の田の字割に置いた。フランス海軍のシャツ、明石タコの姿揚げ・・・、 思い出しても楽しい。嫌みにならない程度の薀蓄コピー。イラストは、デザイナーの 東学さんが多彩なタッチで。写真は福田ノブさん。物撮りでは日本トップクラス、だった。 10回続いたが、実質40点の制作。売ることより、神戸大丸の好感度アップを狙った。 月末の金曜の夕刊に掲載。月曜には、土日にそれがいくつ売れたかファックスが入り、 成績も良かった。神戸大丸では、1987年のストア・コンセプト「新しいのに、懐かしい」が、 いまだに大事にされている。震災で店舗を建て替えるときのコンセプトにもなった。 コピーライターとしてお役に立てた。篆刻は「喜」。鼓を打って、神を楽しませること。
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