いつか、必ず。(篆刻:必)

必
9月も10日過ぎ。放っておいたこのブログ、続きを始めよう。60回で一段落して、 気が抜けた訳ではなく、版下づくりで忙しかった。このブログを本にしようと、 自分で表紙や本文124ページ分の版下を作った。それも、ウインドウズのワードで。 最近ネットでも、ワードの版下で本をつくるシステムは、かなり増えた。見積もりも 即座に出る。が、私は、赤と黒2色ですむのに、4色扱いになる。融通が利かない。 昔、電通賞のためのポスターの企画。商品はM電器のヘアフォーム、電気櫛です。 女性の顔と流れる髪の線画を白い紙に切り込みした。切った部分を浮かせると 陰影が現われてきれいなのだが、湿度で浮きが安定せずに、ポスターにならない。 試行錯誤を繰り返して、ついに固定するのに成功した。リンスを塗って、ドライヤーで 乾かすという方法。必ず出来るはずだ、という一念。ポスター電通賞をもらった。 リンスの発見は、秀光印刷の竹内さん。この本も、2色で出来る、と答えてくれた。 マックで出来るならウインドウズでも出来るはずだと、システムを工夫したという。 それも簡単ではなく、面倒なのだが、しかし出来るのだ、と言ってくれた。 言葉を扱う人間だから、いつか必ず1冊の本をという願いが、おかげで形になる。 篆刻は「必」。彼は昔から、リンスやドライヤーが必ずいる人、ではなかったのだが。
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