タダモノではない、萩。(篆刻:萩)

萩
篆刻は、「萩」。このほかにも、「葛、女郎花、桔梗、尾花、撫子、藤袴」がある。 秋の七草シリーズ。漢字として読めて、かつそれぞれの花の姿を写すという試み。 7点を散らして軸装したら好評だった。色紙にも、何とか収まる。絶滅危惧種ともいう 藤袴を含めて、すべてが我が庭に咲いてくれるのは幸せなことだ。気を良くして、 「篆刻・春の七草」もと思ったが、断念した。どれも似たような草で、サマにならない。 赤紫の宮城野萩が、いま満開だ。数種の萩を植えたが、残ったのは宮城野萩だけ。 残ったどころか、大いに茂って道をふさぐ。根こそぎ取って、数箇所に移植した。 その先々で大いに茂って見事だが、元の場所でも、以前と変わらずに茂っている。 奈良にも白毫(びゃくごう)寺を筆頭に萩の名所を謳ったお寺がいくつかあるが、 境内を萩で満たすのに苦労はない。と憎まれ口を叩いたら、バチが当たる、かな。 当たるも八卦、という易と関係が深いのも萩。豆科、萩属のメドハギという植物。 目処萩は当て字で、「蓍(草冠に老と日)」のひと文字で、メドギともいう。 古くから易の筮竹(ぜいちく)の材料であったが、筮竹こそ、神が降る神聖な依り代。 白川先生の『字統』には、「蓍の百茎なるものは、その上に常に青雲があり、 下には神亀がいて、これを守る」とある。こりゃタダモノではない、と思いませんか。
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