和食の戦いと、平和。(篆刻:和)

和
農水省が世界各地の「正しい和食」を提供する店の認証制度を考えているそうだ。 で、思い出したのが、ずっと昔、ロケで行ったハワイの寿司屋でのこと。 日本人の板前さんと、意気投合。酔いも手伝って、オモロイことをやりたくなった。 大阪の中華海鮮の店で、活き海老を紹興酒で酔わせて食べたことがある。 ハワイでもやろうじゃないかと。ブランデーで酔った海老も、なかなかに旨かった。 これで終わっちゃ日本男児の名折れと(あきらかにハイですね)、次の一手は。 海苔巻きの海苔の代わりにネタを四角く敷いて、細いシャリを巻いてみようという案。 板さん、目を輝かせて、あらゆるネタを並べたてて、「さあ、どうだ」と自慢顔。 その後生まれたカリフォルニア・ロールなど、尻尾をロールして逃げ出すような勇姿。 味などとんと記憶にないが、お大尽遊びの醍醐味を知ったような気にはなった。 さんざん飲んで食って、遊ばせてもらって、さあ、お勘定。日本人の仲居さんが、 レジで叫ぶ。「海老1匹だけじゃないの!」 「余計なこと言うんじゃねぇ!!」 篆刻は「和」。禾(か)は軍門に立てる標識。口は、和議の誓いを入れる祝器「さい」。 食に限らず、冒険、挑戦はその世界の和を乱すが、創造は破壊から生まれる。 さて、私の「シャリのネタ巻き」は「正しい和食」なのか。農水省の答えが聞きたい。
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