シンプルなら、伝わる。(篆刻:約而達)

約而達
「想深語軽」に続くのは、「約而達」 約にして達す、と読む。 これも過去の習作、出典さえ忘れてしまったという情けない話なのですが。 約は、簡約の約。まとめる、はぶく、簡単にする。達すは、伝達の達。 シンプルな方が伝わりやすい。シンプルでないと伝わらないぞ、に近いかな。 これにて「想深語軽」の補足説明とさせていただく次第です。 これとまったく同じ意味の英語を、教えられた。もう、30年以上も前なのだが。 先生は、あのプロクター&ギャンブルからの回し者、ワトソンという男。 世界各国のCMを見せながら、いわゆるP&Gのノウハウを伝授してくれた。 石鹸の泡の立て方からインタビュー、隠し撮りのマル秘テクニックまで。 その後の「ラーマ」や「ブラウン」の隠し撮りは、この先生が元祖であります。 「キープ・イット・シンプル、ステューピッド!」 頭の四文字で、「KISS」という。 ステューピッドは、馬鹿じゃなくて、ニコッと笑って、ポンと肩をたたく感じ。 「シンプルにいこうよ、ね」 ところが、私がCMにすべき商品の決めの言葉は、 「お湯、ぬるま湯、水、どんな温度でもきれいになります。全温度チアー」 3年ほどのお付合いで最後まで、先生とは「KISS」の関係になれなかった。
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