春だから、大吉。(篆刻:大吉)

大吉
きょうは、早くも2月4日、二十四節気のひとつ、立春。 太陽の黄経が315度なのだそうだが、天文は北斗七星が分かる程度で、 黄経などはちんぷんかんぷん。何はともあれ、きょうから日本中が春なのだ。 うれしいね、めでたいねと、謹賀新年のような意味合いで禅寺の門に貼るのが 「立春大吉」。そういえば、私の父親の名前は吉次郎(きちじろう)だった。 篆刻は、「大吉」。吉は、祝詞(のりと)を収めた祝器「さい」の上に、 やはり神聖な祝器である「士」という鉞(まさかり)の刃の部分を置いて、 祝詞を悪霊から守ること。詰めるという漢字に「吉」があるのも、そのため。 吉田という友人から名刺のデザインを頼まれて、我が吉田の吉は、「士」ではなく 「土」だと言い張るのだが、上が土なのは、字書では俗字のひと言で終わる。 だって、祝詞を入れた器に土をかけたら、呪いの言葉みたいになって、 吉祥どころではないのだが、先祖代々そう書いてきたと言われれば、 分かった分かったと作字をせざるを得ない。上が長ければ神聖な刃物や戦士、 短ければ土。線の長短で意味が違うなんて、世界で漢字だけでしょうね。 それはよい文化とすべきだけど、よいは「良い」「善い」「佳い」のどれがよいかな。
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