生きもの

鷹、空に揚がる。(篆刻:鷹揚)

疲れすぎて浅い眠りから醒めた朝。離れに行くと、毛布の中は空だった。 鷹は歩いてどこかにもぐり込んだか。いや、廊下の奥のかごの上にとまっていた。 首を後ろに向けて、しっかと私を見つめる。確かに、生き返ったのだ。 新鮮な空気…

鷹を抱いた、夜。(篆刻:辛抱)

5年前の4月末、まだ肌寒い夜。犬の散歩の帰り、その鳥は道に落ちていた。 周りに、血が飛び散っている。暗闇で電線に激突したのか、どう見ても瀕死だった。 抱いて帰って、猫を避けて、離れにこもった。サシバという鷹の一種のようだ…

熊が、出る。(篆刻:熊)

我が家には、場所柄いろんな動物が来る。裏の元の田んぼが荒れたままの時は、 葛の茂みに、野うさぎの巨大な糞があった。畑の生ゴミ捨て場では、狸に睨まれた。 去年は、家の前のぬかるみに、イノシシの足跡があった。今年はヤマモモの…

鳥急ぎ、ご報告。(篆刻:鳥)

鳥急ぎ、ご報告。(篆刻:鳥)サムネイル
半分、広告。半分、篆刻。「半広半篆」といっても、まだまだ広告が主ななりわい。 広告も篆刻も、好きで続けていられるけど、その中にも嫌いなものがある。 広告では、ネーミングが大嫌い。篆刻では、彫りあがった印を押すことが面倒く…

羊は、美しいか。(篆刻:美)

この前の日曜日は、日本全国、汗ばむほどの五月晴れだった。 我が家の向かい、田植えがすんだ棚田の上の方では、羊の毛を刈っている。 雄は「オーちゃん」、雌は「メーちゃん」。いまこの時期に刈ってやらないと、 暑さで病気になるそ…

怖いけど、飛ぶ。(篆刻:飛)

「飛」は、鳥が羽を広げて飛ぶ形。ツバメが、我が家の縁側に飛来している。 手鏡で巣をのぞけば、卵は7つ。細身の体に7つは重い。まず入らないから、 2組の夫婦の寄り合い所帯と推察する。出たり入ったり、温めたりと、 めまぐるし…
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