生きもの

スズメの、お宿。(篆刻:雀躍)

縁側のひさしからツバメが4羽巣立ったが、その隣の少し小ぶりの古い巣に、 他のツバメが卵を2つ産んだ。入れ替わりのご入居、ご出産だから、大家として よろこばしい限りだが。同じ頃、玄関口に、スズメノカタビラやヒメコバンソウの…

生命の、格差。(篆刻:生命)

毎年のことだが、卵を産んだ親ツバメは、いつも留守がちで、雛がかえるのかと 心配になる。が、縁側にきれいに割られた卵の殻が落ちると、心を入れ替えたように 熱心に餌を運びはじめる。親が餌をやるは、ほんの一瞬のことだから、 要…

生きものたちの、輪。(篆刻:環境)

●春のはじめ、コッコッと音がしたので見ると、栗の木の穴を鳥がつついていた。 図鑑によれば、キツツキの仲間コゲラらしい。枯れ木に穴を開けて営巣する、と あるから、毎年大きな実をつけてくれる丹波栗の寿命が近いのだろうか。 ●…

馬の、ちから。(篆刻:馬)

トレーラーの横に大きく《EL RANCHO GRANDE》の文字があって、「やっぱり」と 思った。そのトレーラーの中には、興奮した元競走馬がいて、降りるのを嫌がった。 犬塚弘扮する装蹄師の老人が近づくと、馬は静かになった…

安易な、猿。(篆刻:安)

畑に枝豆を見に行った。普通の枝豆も、丹波の黒豆も、そこそこ育っていた。 葉がレースのようになっていたナスも、薬を撒き、肥料もやったから、ナスらしき ものが3個ほど採れた。さてトマトは、と見れば、最初に赤くなるはずの房が折…

戦わない、言葉。(篆刻:不戦)

朝、仕事場の窓を開けたら、上の道で、「クー、クー」と子猫が甘えるような声。 抜き足指し足で見にいけば、案の定、猿が3匹。少し赤くなりはじめたヤマモモを 下見にきたのか。竹林を駆け登る後ろに、BB弾を10発ほど撃ち込んだ。…

蛍を、そのままに。(篆刻:無為天成)

蛍の話をしたすぐ後に、新聞に『ホタルの放流「極力行わず」』の記事があった。 蛍の愛好家や研究者でつくる「全国ホタル研究会」。その6月の大会で、 指針が採択されたという。記事の最後には『会長は「蛍を増やせ増やせと 突っ走っ…

光で、浮世離れ。(篆刻:光彩陸離)

とうとう奈良も梅雨入りをした。この火曜日の夕方、空気が妙に湿っぽくて、 梅雨が近いことを感じたのだが。その夜、「蛍が乱舞して、幻想的!」という 電話をもらった。すぐに車で向かったのは、京都の県(?)境に近い広岡町。 橋か…

複雑に、目出度い。(篆刻:祥子)

きのうは、5月の第2火曜日。1階は、「花の会」の稽古日で野の花を活けていた。 2階の私は、広告の企画の返事を待ちながら、注文印を彫っていた。 絵に描いたような、三游会のお仲間・楽篆堂と花の会の、万緑の午後。 そこに、Nさ…

ツバメ、来る。(篆刻:黄燕)

ハコベ、ナズナ、イヌノフグリ、タンポポ、ツクシ、セリ、フキ、キランソウ、 ムラサキケマン、スズメノカタビラ、ヒメオドリコソウ、ホトケノザ、 ヤマネコノメソウ、クサノオウ、キンポウゲ、レンゲソウ、ハナニラ、シバザクラ、 ス…
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