この前の日曜日は、日本全国、汗ばむほどの五月晴れだった。 我が家の向かい、田植えがすんだ棚田の上の方では、羊の毛を刈っている。 雄は「オーちゃん」、雌は「メーちゃん」。いまこの時期に刈ってやらないと、 暑さで病気になるそ…
篆刻ブログ 篆からの、贈りもの。
怖いけど、飛ぶ。(篆刻:飛)
「飛」は、鳥が羽を広げて飛ぶ形。ツバメが、我が家の縁側に飛来している。 手鏡で巣をのぞけば、卵は7つ。細身の体に7つは重い。まず入らないから、 2組の夫婦の寄り合い所帯と推察する。出たり入ったり、温めたりと、 めまぐるし…
お忍びで、どちらへ。(篆刻:忍)
春の珍事とは、こういうことか。 篆刻のホームページを立ち上げてすぐ、Aさんから個人印の注文をいただいた。 ご自分と家族、事務員さんの計5点。春までにはというお約束だったのが、 もう4月も終わろうとして、あわてて村の郵便局…
歯が痛くても、笑う。(篆刻:笑)
「咲」のすぐ後に、この「笑」が登場するはずだったのに、段取りが狂った。 木の芽時だからか、ノートパソコンが時々情緒、いや動作不安定になる。 で、生意気にもWEBマートでSOHO向けデスクトップに買い換えたら、 これがワー…
染井吉野が、咲いた。(篆刻:咲)
咲いた、咲いた、桜が咲いた。この奈良の山里でも、染井吉野がとうとう咲いた。 前座の河津桜や啓翁桜は散りはじめて、いよいよ真打、染井吉野の出番。 いま、五分から七分咲きで、きょうの強い風雨にゆさゆさと揺らぐ姿も魅惑的だ。 …
蕾みが、ふくらんだ。(篆刻:蕾)
蕾(つぼみ)は、草カンムリに雷。その雷に雨がついたのは、ずっと後のことで、 元の字は「田」が上ひとつ下2つの「ライ」。ライは重なる意味だから、棚田から 生まれた文字のようだ。稲光は何本もの線で、文字も田を稲妻でつなぐ形に…
友がいたが、もういない。(篆刻:友有)
「友有」は、「友あり」。右から、手がふたつ重なる「双」の変形が「友」。 いまでも婚礼などで手を重ねて誓うが、そのようにした者同士のこと。 「有」は、これも手に肉(肉月)があること。で、「友有」は、手が3本並んでいる。 私…
桜見るなら、五分咲きで。(篆刻:華看半開 酒飲微酔)
奈良公園の桜が、やっと咲きだした。氷室神社のしだれ桜は、もう満開らしい。 市内から15キロのこの山里では、もう少し待たなければならない。 ここ数日、春寒が続いて、つぼみがふくらんだまま開かない。 きょうか、あすか、と桜を…
異はあるけど、同を求めよう。(篆刻:求同存異)
「異はあるけど、同を求めよう」なんて、まともな日本語になっとらん。 しかも、めっちゃアブストラクト。ごもっとも。でも、ちゃんとした中国語です。 「求同存異」は、中国読みで「チウトンツンイ」、日本読みなら「きゅうどうそんい…
両方、忘れよう。(篆刻:両忘)
仲畑さんの有名なコピーに「好きだから、あげる。」というのがありましたね。 この「両忘(りょうぼう)」、篆刻として別に取り得もないけど、「好きだから、載せる」 上は密、下が疎、という構成の定石。字体だって、普通。 自分では…