篆刻ブログ　篆からの、贈りもの。

「一草万理」は、イチグサ・マリさんの名前を彫ったのではない。いっそうばんり。 神さまは、あちこちでかしましいから、１回でお引取り願いました。 一本の草に、八百万（やおよろず）の宇宙の真理が込められている、どうだ、 すごい…

「一草一神」は、いっそういっしん。仏さまの次にご登場ねがうのは、神さまです。 縦書きで右に二文字、左に二文字だと「一」が並んでしまう。疎密が片寄る場合は、 時計逆回りでもいいとされている。一本の草にも、ひとつの神が宿って…

これが、「得阿耨多羅三藐三菩提」。原語を音写して、意味は「完全な悟り」。 パソコンの外字で探すのも手間だから、徐先生が親切にお手本を用意して くれているはずもない。先生がこの印を見たら、「これのどこが徐三庚なんだ」と 怒…

「不生不滅」は、ご存知の方も多いだろう。般若心経の一節。 「是諸法空相」　真理は空である、に続く、生ずることも、無くなることもない。 ところが、ちょうどこれを彫っている頃、私の父が滅した。 そのことによって、私のなかに、…

「守破離」は、しゅはりとも、しゅばりとも。武道で言われることが多いのだが、 お花でも、俳句でも、フラダンスでも、習い事は「守破離」だそうな。 まず先生の教えをただひたすらに守る。私の場合は、徐三庚先生の教えと おぼしきも…

「学貧」は、がくひん。「赤貧」といえば、「貧」を彫ったなあと思い出したので、 旧作を引っ張り出して、埃を払って捺してみた。 何かの本で拾った言葉だが、貧しさのなかから、何かを学ぶ。貧しさのなかにこそ、 学ぶものは多いのだ…

「赤言白心」は、せきげん・はくしん。１０年ほど前に、大阪の茶屋町画廊で、 楽篆堂（らくてんどう）が初めて篆刻の個展をしたときのタイトル。 正直な言葉、真っ白な心、という叶いもしない願いを込めたが、 「赤言」も「白心」も辞…