待ちかねた『ぼくの仕事場は富士山です。』(近藤光一著、講談社)が届いたので、 早速読みはじめたが、ちょっとコワゴワでもあった。というのは、その近藤さんから 「富士山登山ガイドをしている、社名の合力(ごうりき)と富士山の篆…
本
写経は信仰、ではない。(篆刻:抜苦与楽)
奈良・薬師寺の入口には「与楽門」と石に刻まれている。1939年から30年間ここの 住職・法相宗管長を務めた高田凝胤(ぎょういん)師の話(※)を読んで、びっくりした。 師は平安から明治以降の近代仏教までをニセモノとして、日…
小塚さんのつくった、書体。(画像:小塚明朝)
私が大卒でコピーライターになった時、広告原稿の文字は写真植字(写植)になった 直後だったようだ。写植は活字印刷に代わって、印画紙に文字を焼きつける画期的 な新技術だったが、新聞印刷の世界でも活字から写植に切り替わる転換期…
壽屋の、開高さん。(篆刻:壽)
『壽屋コピーライター 開高健』(たる出版)という本。これは、読まずにはいられない。 開高健は小説家を熱望しつつ苦悶する最中、子どものミルク代のために宣伝文案を 書いて生涯初の原稿料1枚500円を手にする。それを渡したのは…
空気を編集、ジャパングラフ。(篆刻:編)
READY FORは、クリエイティブな活動を支援する日本初のクラウドファウンディング。 ネットでプロジェクトを公開し、期間内に資金の目標を達成できたら、カードが決済され 支援が成立するというもの。カメラマンの森善之さんが…
漢字の成り立ち、NOW。(篆刻:字)
私は篆刻を彫る前、すでに彫った文字でも白川静先生の『字統』(平凡社)で字源を 再度確認して原稿をつくる。だから『字統』は手引きであり、教科書なのだが。それが 30年前に停止した考証であり、新しい資料によって否定されたこと…
aか、bか。(篆刻:a・・・b)
芥川賞の単行本を買ったのは久しぶり。『abさんご』は受賞作のそれが横書きで、 受賞前の作品群は縦書き。いわゆる表1と表4の真ん中に「なかがき」がある。 表4の帯を見て驚いた。「前代未聞のリバーシブル本!」だって。何が前代…
我慢と、我満。(篆刻:我満)
浅田次郎の小説といえば『壬生義士伝』は、上下2巻を読んで実に面白かった。稀代の ストーリーテラーと認めるが、それ以外に特に読んだこともない。さて、日経新聞朝刊で 5月から連載が始まった浅田次郎の『黒書院の六兵衛』には、毎…
これまた、酔狂。(篆刻:酔狂)
もう、買うのはやめよう、読むのはやめよう、と思いながら、受賞会見をニュースで 何回も見たから、ついつい文芸春秋を買ってしまった。やっぱり、ガッカリだった。 芥川賞受賞作を読んだといっても、ここ10年で12作ほどだから、偉…
瞑想の、力。(篆刻:瞑)
吉田脩二先生は、初めての診察で10ヶ月も(実はもっと長いのだが)苦しんだ私の うつ病にピタリ効く薬を下さった方なのだが。『ヒトとサルのあいだ』(文芸春秋)に続く 新刊が『感じる力 瞑想で人は変われる』(PHP新書)と知っ…